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2023-01-17

昔ながらの徳利やお湯のみをつくられている、山淳製陶所さんの窯元を見学させていただきました

白磁の焼き物をつくり続けて3代目、美濃焼の徳利などをつくっておられる山淳製陶所さんを訪ねました

山淳製陶所さんは、昔ながらの寿司湯呑みや酒器などを、3代にわたりつくり続けておられる窯元さんです。

昔ながらの寿司湯呑み、現代の需要に合わせてつくられる酒器など、時代とともにものつくりをされてきました。

「ギフトにされるのかな」「もらったら嬉しいんじゃないかな」となど、消費者さんを想像しながら、柔軟な対応で、ものつくりをされている山淳製陶所さんです。

 

かたく強度の強い、白磁の土

山淳製陶所さんで扱う陶土は、強度のあるかたい土「磁器土」です。磁器の粘土の中でも白磁と呼ばれる、白い土を使用しています。白くかたい土は強度の高さが特徴で、食洗機が使えたりと、日常使いがしやすい焼き物です。

 

製品つくりの工程を見せていただきました

成形

練った土を手でちぎり、型の中へ入れていき成形していきます。

 

徳利などの細いものなどはがば鋳込みという製法で成形されています。

撹拌機(オレンジ色の機械)で水や原料の板状の土などを混ぜてどろどろにし、型へ流し込んでいく成形方法です。

 

絵付け

手書きで文字入れをしたり、銅版転写と呼ばれる方法で、製品に絵や文字を入れていきます。

沢山の製品をつくるときは銅版絵付け、小ロットでの生産が求められる時は手書きでと、細やかな対応をされています。

 

手書きで文字入れされたお湯呑。一点一点が微妙に違っていす。手作業ならではの個性です。

昭和の時代には、お湯呑にお寿司屋さんの店名・電話番号などをいれてつくられる、宣伝用の寿司湯呑みをつくる受注が多かったとお話してくださいました。

焼成

焼窯は素焼用のものと、本焼き用のもの、2種類がありました。

それぞれ温度が、700度、1200度と違うそうです。

強度を強くするため、素焼をしてから釉薬をつけ本焼きをして仕上げるそうです。

 

消費者さんを思いやる温かい窯元「山淳製陶所」さん

創業してから3代目にあたる社長さんとともに、4人体制でものつくりをされています。作業は分担制で、今日の作業は〇〇と、日によってスケジュール管理をされています。

動線がはっきりとしており、通路が広く、整理整頓が行き届いたとてもきれいな作業場でした。コロナ期に整頓されたとおっしゃっていた作業場からは、ものつくりに対する細やかさや誠実な姿勢が伝わってきました。

 

「ギフトでもらったら嬉しんじゃないかな」

製品を作る際には、消費者さんの気持ちを想像するそうです。時代とともに、つくる製品や届け先が変化してきたとおっしゃっていました。

「今は皆さんに選んでいただけるように」

そんな風に私たち消費者さんの気持ちを想像し、尊重しながらものつくりをされておられる山淳製陶所さんでした。

工房の出入り口の扉には、大きな浮世絵が描かれていました。道路から見たときに目立つと看板になるからと、元美大生の奥様が描かれたそうです。見学へ訪れる際に、そういった点からも楽しませてくれる温かい窯元さんだと感じました。

 

この度は貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。

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