2017-06-24
誠実な手仕事に出逢いました。【黒七輪・空気口の成形】
黒七輪の生産者である職 杉浦さんは、2019年12月をもちまして、七輪生産を退かれました。
現在は、愛知県三河地方で高橋さんという職人さんが、杉浦さんより黒七輪の生産を継承されておられます。
2020年より、当店にて販売をさせていただいている黒七輪は、高橋さんのつくる黒七輪となっております。
こんにちは。
えんける道具店です。
丁寧な作業が続く、杉浦さんの黒七輪つくりです。
3、空気口の成形
杉浦さんの黒七輪は空気口も三河土製。
杉浦さんが一つずつ、空気口を作っていきます。
準備に余念のない杉浦さん。
「土が固すぎてもダメ。柔らかすぎてもダメ」と杉浦さん。
乾燥させた三河土を切って、空気口を作っていきます。
作業中は言葉を発さず、真剣そのものです。
黒七輪に空気口の引戸ができました!
そして、「この作業を70回繰り返します」と杉浦さん。
黒七輪の長持ちの秘訣でもある、土製の空気口。金属製の空気口は取れたり壊れたりしやすいのだそう。丈夫な三河土でつくられている空気口なので、壊れることなく長く使える杉浦さんの七輪なのです。
4、磨き
黒さが特徴の杉浦さんの七輪。泥状にした炭を何度も塗り、『那智黒石』という石を使い、表面を磨きあげていきます。
柔らかく艶のある『那智黒石』。
空気口を作った作業場の隣が、磨きの作業場です。
作業場には、沢山の道具たち。
那智黒石で磨きあげることにより、
- 強度が増す。
- 表面についた汚れが落ちやすくなる。
- つやが出る。
といいます。
杉浦さんの黒七輪つくり。磨きあげられた七輪は窯へと運ばれて行き、いよいよ最終工程を迎えます。
関連記事