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2017-06-20

誠実な手仕事に出逢いました。【黒七輪・成形】

黒七輪の生産者である職 杉浦さんは、2019年12月をもちまして、七輪生産を退かれました。

現在は、愛知県三河地方で高橋さんという職人さんが、杉浦さんより黒七輪の生産を継承されておられます。

2020年より、当店にて販売をさせていただいている黒七輪は、高橋さんのつくる黒七輪となっております。

 

 

こんにちは。
えんける道具店です。

えんける道具店の七輪は、愛知県三河産の丈夫な土を使用して作られている黒七輪です。

日本でこの黒七輪をつくっておられるのは、杉浦さんただお一人。そんな杉浦さんの工房を訪ねました。

待っていた出逢いは、杉浦さんの誠実で丁寧な「手仕事」と「人柄」でした。

杉浦さんの黒七輪は二重構造。外側は愛知県三河産の三河土(黒色の部分)、内側は珪藻土(白っぽい部分)で作られています。外側部分と内側部分、それぞれに成形していきます。

「何事も準備が大切。」と言って、エプロンを身に着ける杉浦さん。

1、成形

まずは、空気口をつくる際に必要な、粘土の準備から始まります。

空気口は黒七輪のこの部分。三河土で作られているこの空気口は丈夫く、黒七輪の長持ちする秘訣でもあります。

へこんでいる箇所に粘土を埋めています。細やかな作業です。

白い粉をふっています。粘土同士が接着するのを防ぐために必要な処理だそう。

針金のような器具を使いカットしていきます。薄い10㎝×20㎝四方のパーツが出来上がりました。

杉浦さんの黒七輪の成形は、「機械ロクロ」を使う方法。

「機械ロクロ」に型をはめ込み、いよいよ成形していきます。

型の中に粘土を入れ、ヘラを当てて成型していきます。ロクロを回し終わった後、粉を降ってカットしていた粘土を貼り付けています。(50秒当たり)

「この作業を70回繰り返します」と杉浦さん。

工房にこうして積んである型は70個ほど。その為一度に生産される数量にも70個と限りがあるのです。

2、乾燥

ロクロから型を外し、乾燥させます。

乾燥させる時間は1日ほど。型の水分の吸収具合によって変わるのだそう。まさに職人の「勘」によるものですね。

工房の外には、二重構造の内側(珪藻土)になる部分が沢山並んでいました。

 

杉浦さんの黒七輪つくり。この後も、空気口の成形など手作業は続きます。

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